すこし長くなります
最近骨粗鬆症の薬を服用されている方が増えています
骨粗鬆症は骨を吸収する細胞の働きと
骨を再生する細胞の働きのバランスが崩れることにより起こります
それにより圧迫骨折などが起こり寝たきりへとなってしまう
老人にとっては気を付けなければいけない病気だと思います
それに対してビスフォスフォネート製剤(総称)という
骨を吸収する細胞の機能低下させる薬が最近多く処方されるようになってきました
骨粗鬆症にはとても有効な薬だと思います
しかしながらその薬には歯科において大きな問題が出てきています
起こる確率は製薬会社いわく20万分の1らしいですが
それはBRONXと呼ばれる難治性の顎骨壊死を起こすことです
薬を服用している方で抜歯や入れ歯の傷等様々な要因で傷ができ感染が起こり
本来は修復される骨が修復されず炎症が止まらなく顎全体に拡がってしまうというものです
問題なのは一度起こってしまうと薬が切れるまで治す方法がないと言われていることです
骨は体全体にありますが
顎の骨は歯茎などから感染を受けやすいため絶えず代謝を繰り返しています
それにより手や足の骨より顎の骨がビスフォスネート薬の堆積量が
他の骨の約10倍になることにより顎の骨だけそのような現象が見られやすいということがわかってきています
ここ数年厚生労働省はその薬を飲む前に
歯科にて悪くなるような歯は全て先に抜いておくこと
という通達を出していますがお年寄りの方で歯槽膿漏などに全く罹患していない歯は
逆に少なく全て抜くのもある意味困難です
そのような症状が起こるリスクは
飲む量と期間が大きく影響することもわかってきています
従来の薬なら3ヶ月やめればある程度大丈夫だと言われていましたが
(実際骨から薬が半減するには6ケ月以上)
最近は強い薬が出てきて
1週間に一度飲むのが月に一回でよくなtったりして便利になったかわりに
投薬を中止してもなかなか薬は体から抜けないようです
歯科の側からすれば予防目的であればあまり強い薬を使わないで欲しいというのがありますが
患者様からすれば多くの薬を飲んでいる老人の方などは
薬がひとつ減るだけでもそれは大きなことなんだろうとも思います
医師会と歯科医師会、そして薬剤師会とが真剣に話し合わないといけない問題だと思いますが
なかなか世の中はそうは動いてはくれないようです
難しいですね